【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
 しんみりとした雰囲気で、言葉少なく刺繍をしたり何かを書いたりしている。わたしに聖女教育をほどこしてくれたジャネリーさんもいた。

 軽く窓を叩いてみる。声をひそめて「すみません、こんばんは」と呼びかけると、ジャネリーさんがふとこちらを向いた。

「ジャネリーさん、こんばんは。怪しい者ではありません。マリアーナです。開けてもらえますか?」
「え……ええ!?」

 ジャネリーさんの叫び声に、まわりの女性神官達もこちらを振り返った。

「何……!?」
「せ、聖女様の幻が!」
「嘘! 聖女様はお亡くなりになったはず」

 やっぱりわたし、死んだことになっていたのね……。

「心配かけて、ごめんなさい。マリアーナです。生きています。中に入れてもらってもいいですか?」
「えっ、えぇぇぇ!?」
「と、ともかく、外では目立ちます。な、中へ!」

 なんとか自分を取り戻したジャネリーさんが扉を開けてくれ、わたし達は室内に招き入れられた。




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