今宵も甘く咲く ~愛蜜の贄人形~
帰ってきた叶に時雨から聞いた話を告げ、起きたことも隠さずに打ち明けた。

「僕としては二人が仲良くしてくれるのは嬉しいよ」

ソファで膝の上にあたしを座らせ、微笑んだ貴方。
 
「でも、そんなのって・・・」

困惑。自分と叶達とが秘められた特殊な関係性だってことは、理解しているつもりだ。叶にならいくらでも捧げられる、躰でも何でも。愛してるから。だけど時雨は。

俯き加減にそのまま黙り込んだあたしの頬に、彼の指が触れる。優しくなぞりながら言い聞かせるように。

「僕らは互いが強く繋がっていないといけない。結び目がすぐに解けてしまう関係じゃいけない。二人と一人じゃ駄目なんだ、三人じゃないとね。・・・時雨は君を好きだよ。スズはどう?」

目を上げると、叶は愛しむように見つめていた。

「二人で大事に愛するよ、僕ら無しで生きていけないくらいに」

そのまま体重がかかってゆっくり仰向けに倒される。

「君が永遠に僕を欲しがるように。今まで以上に優しく可愛がってあげるよ、・・・僕の人形(スズ)





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