スペシャル企画 儚く甘い 番外編追加しました
自分の足でシャワー室まで行けるのは、咲の父との朝食の約束がある時くらいだ。

「15分ですよ!15分!」
シャワー室の外からも何度も咲に声をかける玲。
少ししてシャワーの音が聞こえ始めると玲はシャワー室から離れて、咲のベッドに戻り、布団を整えてから机の上に必要なものを並べ始める。

シャワーを終えてもいつもならまだ目が覚めていない咲。
髪を乾かすためのドライヤーや、櫛、目を覚ますためのカモミールティを用意して、咲を待つ。

他にも社長として咲がその日に必要になる書類や、スケジュールも用意している。

『バタン』
シャワー室の扉が開いて、玲はすぐに咲の元へ向かう。
手には室内用のシューズ。
「お嬢様、どうぞ。」
しゃがんで咲の足元にシューズを用意するものの、「いらない」と咲は通り過ぎようとする。
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