スペシャル企画 儚く甘い 番外編追加しました
2人きりになった病室で、俺はベッドに横になり安静にしている紗那の隣に座った。
そっと手を握るとその手がかなり冷たい。

いろいろな思いで葛藤しているのは紗那だって同じだ。
いや、俺以上だろう。

前に悲しい想いをしたときも、実際に体の痛みを経験したのは紗那だ。
今、妊娠の喜びと、でも大きな不安と、過去からの恐怖を感じて紗那の心は大きく揺れていることなど簡単に想像がついた。

「何食べたい?」
考えに考えて、俺の口からでたのは、結局こんな他愛もない言葉だった。

俺の言葉に俺の方を見た紗那は今にも泣きだしそうな顔をしていた。
「がんばろう。3人で。」
俺は紗那の髪を撫でながら紗那を見つめる。
< 72 / 174 >

この作品をシェア

pagetop