スペシャル企画 儚く甘い 番外編追加しました
さすがに、記念日に休日出勤をするのはどうかと思ってしまう。
海璃に申し訳ない。

海璃のことだから、私がやりたいということは全力で応援してくれるはずだ。
基本的に海璃はかなり優しくて、私の考えややりたいことを尊重してくれている。
きっと笑顔でいってらっしゃいって私を送り出してくれることはわかりきってる。
でも、きっと心の中では複雑な気持ちになっているんだろうなと思う場面が今までたくさんあった。

いつか海璃に私は愛想をつかされてしまうかもしれない。

仕事に集中しきれていない自分の思考に、言い聞かせるように私は自分の頬を叩いて気合を入れなおした。

結局、私が帰路についたのは深夜12時をまわる直前。

会社から出るとあたりを歩いている人もほとんどいない。
記念日に日付がかわる瞬間、一緒にいられなかった・・・。

私は海璃のように効率よく仕事をして、必要なことと、必要ではないことを切り分けるのがへたくそだ。ほかの誰かじゃなく、自分が一番よくわかっている。
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