悪役令嬢の復讐マリアージュ
チラチラ1
一生、叶う事のない恋だから……
一生、そういった行為をする事はないと思ってた。

だから楓くんに抱かれても、どこか夢みたいに思えてて……
しかもその最中、ほとんど目を瞑ってたし。
頭も働いてなかったから、尚更。

だけどシーツには、やっぱり少し血が付いていて。
そのシーツは楓くんのもので、その人の匂いがしてて。
私ほんとに、楓くんに抱かれたんだ……
胸が千切れそうなほど締め付けられて、身体が疼く。

そこでふと気付く。
待って、てことは当然裸も見られたわけで……
いやあ!もう顔を合わせられないっ。
と今さら恥ずかしくなる。
おまけに下着まで見られたし、「はい」ってあんな平然と触られたし……
あああ!と顔を覆ってうなだれた。

どうしよう、他に気まずい事とかやらかした事とかないかな……
そう思い返すも。
ムリ!今思い出したら死んじゃうっ。
まともな判断が出来そうもなく、もう少しクールダウンしてから振り返る事にした。

ああどうか、復讐に支障がありませんように!
私はそのために、楓くんに本来の人生を返すために、長い間頑張ってきたんだから……



そう、楓くんと出会ったのは……
私が小学校に入学して、3か月ほど経った頃だった。
< 106 / 344 >

この作品をシェア

pagetop