悪役令嬢の復讐マリアージュ
「ああも!何やってんだよっ、落ち着けって」

「だってその、あっちの方は大丈夫じゃないからっ」

「わかったわかった、ほら行くぞ?」
と、状況を察してくれた大貴。

私は楓くんに、「じゃあお疲れさま」と帰るのを促すように告げて、その場を後にした。


そしてスッキリした帰り道。
「つーか、いいかげん旦那に付き添ってもらえよな〜。
今経理なら、近くて頼みやすいだろっ?」

「ムリムリムリっ。
ていうか、今日から人事なの」

「マジっ!?
……いやだったら尚更、旦那に頼めよ。
もうすぐ結婚して1年だろ?
まだ恥ずかしいのかよ」

「だって……」
普通の夫婦じゃないし、復讐関係でしかないから頼めるわけない。
なんて言えなくて、口籠ると。

ため息をつきながら、私の頭をぽんぽんしようとして……
その手を引っ込める大貴。

「まぁ俺はいいけど、旦那とケンカにならないようにしろよ〜」

「これくらいなら大丈夫だよ」

そう、警備員にお化けから守ってもらってる状況なら……
むしろ無用心じゃないし、面目も潰してないし、馬鹿にした行動でもないはずだ。

「そうは思えないけど……
まっ、俺のご利用は計画的に(●●●●●●●●)〜」

「ラララ・ララララ〜、ラララ・ララララ〜、ララララっ」
< 181 / 344 >

この作品をシェア

pagetop