幼馴染みに彼女が出来ました!
「ちょっ、萌花!?」
「はぁ?萌花さんが、え、あれ……萌花さんが男?」
何で自ら正体をバラしてしまうのか。
男の人も目を大きく見開いて、かなり動揺している様子だ。せっかくバレて無かったのに、何でそんなこと……。
「芽生ちゃん、目ぇ瞑って」
「え?」
萌花が小さい容器を取り出して、男の人の顔の目の前で噴射させた。
「うわぁぁぁ、っ目が」
前にイブに貰っていたから、すぐに催涙スプレーなんだって分かった。
男の人が倒れた瞬間、萌花が彼の上に乗ってポケットを探る。スマホを取り出すも、彼はそれどころじゃなくて、床に転がったまま目を両手で押さえ足をバタバタさせている。
「っ、痛いっ、わぁぁ、痛……」
唐辛子の威力って凄い、痛そう。なんて感心してるところで、萌花がテーブルの上のパソコンをコードから引っこ抜いて右手で抱える。
反対の手で私の腕を引っ張るから、床に落ちていた萌花のウィッグを急いで拾う。そのまま部屋を出て、そのまま階段を駆け降りた。