ときめきの香りは貴方ですか?
久木さんは、永富さんと仁美さんの関係を教えてくれた。

永富さん、想像以上に凄い人なんだ・・・

私は、契約書のチェックでも、かなりのプレッシャーと戦ってるのに、2つの会社の後を継ぐって、どれだけ重圧がかかってるんだろう。

少しでも早く、多くの仕事を覚えて、永富さんの力になりたい。

永富さんが事務所に戻ってきた。
席に戻ったら、大きなため息をつき、目をつぶって天を仰いでる。
あんな永富さん、初めて見た。
何があっても冷静なのに・・・

「永富さん、あの・・・大丈夫ですか?」
私の声に気づいた永富さんは、私に目線を合わせて
「あぁ、大丈夫だよ」
そう言いながら、私にいつもの笑顔を見せてくれた。

ほっとして、私も笑顔で
「私で出来ることあれば、言ってくださいね」
偉そうかなと思いながら声をかけると、永富さんはしばらく私も見つめた後、
「じゃあ、風谷さん、今時間ある?ちょっと一緒に行きたいところがあるんだ」
「大丈夫です。急ぎの分は全部終わらせましたので」
「さすがだね。じゃあ、車で行くから、外で待ってて」
そう言って、永富さんは社有車の車の予約をし、鍵を取って事務所を出た。

私も慌てて、鞄を持ち、
「久木さん、永富さんに同行します」
久木さんに声を掛けて、事務所を出た。

外に出ると、永富さんが車を出して、待っててくれた。
「永富さん、お待たせしました」
「ごめんね、急に。乗って」
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