ときめきの香りは貴方ですか?
休日の朝、インターホンがなる。モニタには眞子さんが映っていた。

「お前、いい加減にしろよ!」
「だって、愛里ちゃんに会いたいんだもん」
眞子さんが私に抱きつく。

「眞子さん、今日はどうしたんですか?」
「あぁ、お父さんとお母さんにこの間、ここに来たこと話したら、お母さんが愛里ちゃんに会いたいって。連れて行ってあげなよ。一緒に住んでるんだし」

優也さんは黙っていたけど、突然どこかに電話した。
「もしもし、母さん。父さんもいるの?・・・わかった。じゃあ、今からそっち行くから」
今からかぁ。
じゃあ、私も一旦家に帰ろうかなぁ。
「愛里、準備できる?実家に行くよ」
わ、私も?心の準備が出来てない。緊張するよぉ〜。

眞子さんを送り、優也さんの実家の前に着いた。
立派なお家だ・・・私の実家の3倍くらいの敷地かな。

優也さんが先に上がり、私を呼んでくれた。
部屋の前に来て、お辞儀をして顔を上げると、そこには先日のイベントで人捜ししていたご夫婦が座っていた。

「先日は・・・優也さんとお付き合いさせていただいてます、風谷愛里といいます」
「この間はどうもありがとうございました。優也の父と母です」
お母さんは私に深々と頭を下げてくれた。

「えっ?どういう事?」
優也さんはびっくりした顔をして私を見た。
「さぁ、こっちに座って」
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