❀洋服屋―――future―――❀
―――夜中―――

彼女はドキドキしていた。

モデルの由香も、浩二がいた。

由香と浩二と翔希と緑は泣いていた。

手には―――優秀賞のトロフィー🏆を抱えていた。


まるで信じられない。


自分達の洋服が―――表彰されるのは、とても嬉しいものだ。

ずっと好きだったfashion―――新たな夢が出来る事になる。

夢を追いかけているだけでは、仕事は成り立たない。

そういう時もあり、彼女は苦労して此処まで、やってきた。


―――ゆ・・・優秀・・・賞・・・


本当に・・・ありがとうございます!!!!


好きだったfashion....とても彼女に似合っていた。

日本人らしさがあり、とても綺麗なモデルさんとして、大村由香は色々な、『fashion雑誌』や『女性雑誌』にも注目されることになった。

彼女は泣きながら、テレビの記者のインタビューに応えていた。


『私が・・・これまでやってこれたのは・・・家族や友達だけでなく・・・自分らしさを表現したかった・・・それで・・・画期的な服装を・・・此処の『future』に頼みました・・・彼女も喜んでくれるでしょう・・・』


『皆さん・・・こんにちは!!!今回―――神中緑である、私の洋服が表彰されたのは・・・由香に似合う服装を着せたからだと、思っております。服と言うのは、似合っていなければ・・・表彰はされません!!!』


―――それに


『亡くなった母と祖父・・・それから・・・父親と妹に・・・失う事は・・・何より辛い・・・家族を二人亡くし・・・自分達は・・・この店をやるまで・・・どん底でした・・・だけど・・・この『future』を執り行うに連れ・・・楽しくなり・・・生き甲斐を持つことにしました!!!』



―――私達は・・・立ち直った―――



『ごめんね🙇・・・貴方達には悪いけれど・・・私はもう・・・長くはない・・・だけど・・・出会いなら・・・誰にでも沢山あるものだ。だから、私の気持ちを酌んで欲しい・・・生き抜いてほしい・・・』

『わしも・・・もう駄目🙅かもしれない・・・だけど、一つだけ・・・良い事がある・・・お前の店は・・・私の女房・・・御婆様が営んでいた。だから、それを見捨てないで欲しい。全うに・・・生きろ―――。』



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