✾~クールな天才脳外科医と甘~い極上の結婚を~✾
「それに誰がブラコンだって? 確かに紫音は、凄く大事だ。俺にとって唯一の家族ともいえる。あの人達は、ずっと俺を"都合の良い跡取り"としか思ってないし、紫音だけが俺の光で希望だった。けど今は、誰よりも莉子を幸せにしたい。誓って頼まれたわけじゃない」


頭上の彼の声は、とても力強く嘘偽りも感じられない。

それでも好きとは言ってくれない彼に、やはり不信感が募っていた。


「幸せって何? 私の幸せ朝陽君にわかるの? 人の憧れる全てを持つ上、彼氏でもないのに普通女子の私の気持ちがわかるとは到底思えない。簡単に『幸せにしたい』って言うけど例えば? ……当然ノープランよね。確かに朝陽君となら何の不自由もない人が羨むセレブライフ満喫出来るかもしれない。でも私が一番に望むのは……」


朝陽君の愛……。

でも今なら紫音の気持ちが痛いほどわかる。

例え一番じゃなくても傍にいられるなら……
この力強く逞しい胸に包まれるならそれでいい。

初めてそう渇望する私に出逢ってしまった。

でも信じられない急展開にとてもついていけない。

そんな素直に受け入れられるほど若くもない。
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