水鏡
 私は勢いよく後ろを振り向いた。誰かの話し声が聞こえたのだが、後ろには湖があるだけで近くに誰かがいる様子はない。

「だ、誰かいるの⁉︎」
「いるわよ」

 私の言葉に返事をしたのは女の子で綺麗な声だった。
 声の主を探してもどこにも見つからない。

「どこ? どこにいるの?」
「ここよ。下を見て」

< 6 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop