甘い毒に溺れ堕ちて
藍くんのおうちも共働きなんだっけ。

小中は給食だったし、お弁当を持っていくのって遠足くらいだから、買ってもあまり出番なさそうだもんね。


各自弁当箱を開封していると、夏目くんが戻ってきた。

全員揃ったところで手を合わせ、「いただきます」と挨拶をし、食事会を始める。



「おっ、藍が珍しく弁当持ってきてる。美味しそう」

「ありがとう〜。作ったのは俺じゃないんだけどね」

「まあちゃんが作ったんだよね〜」

「ええっ! 占部さんが!?」

「この前色々とお世話になったから、そのお礼で」



目を丸くした彼が、再び弁当箱を覗き込む。


卵焼き、ひじき、ミニトマト、サバの煮付け、ほうれん草のおひたし、海苔を巻いたタコさんウインナー。

希望を取り入れつつも、栄養が偏らないよう野菜を組み込んだ、色鮮やかなメニュー。



「うわー、お前の好物ばっかりじゃん」

「ね? 優しいでしょ? 作ってくれるだけでもありがたいのに、何入れてほしい? ってわざわざ電話で聞いてくれてさ」

「電話!? そんなに仲良かったの!?」

「あはは……」
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