甘い毒に溺れ堕ちて
夏目くんは急いで勉強道具を抱えると、駆け足で校舎に戻っていった。

男女別に分かれ、藍くんと向かい合う形で長椅子に座る。



「もしかしてさ、来栖さんのランチバッグ、真彩ちゃんと色違い?」

「そうだよ! 中身もお揃いなの!」



いそいそと弁当箱を取り出した茉耶。


ドット柄のランチバッグと弁当箱のセット。

高校入学前の春休みに父と2人で雑貨屋さんに行ったら、来栖一家とバッタリ会って。

私は水色、茉耶はピンクの弁当箱を持っていたため、『ランチバッグも一緒にしようよ!』と言われ、結果的にお揃いとなった。



「オシャレだね。俺も弁当箱デビューしようかな」

「成見くんは弁当箱持ってないの?」

「あるにはあるんだけど、幼稚園の頃に使ってたやつだから古くてさ。それに小さいし。だからバッグまで一式揃えたことがないんだよね」



茉耶にそう話しながら、和柄の風呂敷をほどいている。

出てきたのは、プラスチックの容器いっぱいに敷き詰められた白ご飯。

その隣には、今朝私が渡した無地の青い巾着袋が置いてある。
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