甘い毒に溺れ堕ちて





「──じゃ、また明日」

「来栖さん、またね」

「バイバ〜イ。勉強頑張ってね〜」



放課後。終業のチャイムが鳴り響く中、茉耶に挨拶して足早に教室を出た。



「今日はどの教科?」

「英語。授業で聞きそびれたところがあって。念のためノート確認させてもらっていい?」

「いいよ。聞きそびれたところってどのへん?」

「現在完了形の見分け方。先生が口頭で何個か言ってたんだけど、どれがどれだったかわかんなくなっちゃって」



階段を駆け降りながら、希望教科と箇所を聞き出す。


現在の時刻は15時50分過ぎ。

最終下校時間までは3時間くらいあるのだが、藍くんの家族が17時に帰ってくるそうなので、時間確保のため、速歩きで移動している。


昇降口で上履きから外靴に履き替えて、小走りで東屋へ。

長椅子に横並びで座り、スクールバッグから勉強道具を一式取り出して、早速教えていく。
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