甘い毒に溺れ堕ちて
目を見てお礼を言うと、ふふふっと目を細めて微笑んでくれた。



「次回のデートに……と言いたいところだけど、涼しくなってからじゃないと難しいよな」

「早くて10月頃かもね。快適に着れるのは11月になりそう」

「5ヶ月先かぁー。長いなぁー。早く夏終わんないかな。でも真彩ちゃんの夏服も見たいし……」



お店を後にしたら、いつものおちゃらけモードに。

制服なのか私服なのか。お洋服大好きな藍くんなら多分どっちもだな。



「期末終わったら、また遊ぶ?」

「いいの!?」

「リベンジってことで。今度は2人きりになれる場所で相談しよう」



東屋はしばらくは使えないから、階段の踊り場とか、渡り廊下とか。それこそ駐輪場とか。

今月は無理そうだけど、夏休みが来れば、またお父さんも帰ってくる。

予定が合えば、藍くん念願の1日コースが実現できるかもしれない。


それも踏まえて伝えると、突然口を手のひらで覆い、そっぽを向かれてしまった。



「どうしたの? 私何か変なことでも言っちゃった?」

「……ごめん。ツンツン真彩ちゃんも可愛いけど、素直な真彩ちゃんもグッとくるなって。ドキドキしちゃった」



なんだそれ……。具合悪くなったのかなと思ったら、ただ照れてただけかい。心配して損した。



「泣きたくなったら、いつでも俺のとこおいで。いっぱいギューして頭なでなでしてあげる」

「ん。わかった。じゃあ卒業式の日に予約しとくね」



あえて否定せず冗談交じりで返したら、「2年後かぁ……」と残念そうに笑われた。


頭ポンポンもそこそこドキドキしたのに、ハグなんてされたら心臓爆発どころか失神するかも。


あまり泣き顔は晒したくないけど……藍くんにだけなら、見せてもいいかなって思った。
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