甘い毒に溺れ堕ちて
柔らかな微笑みを浮かべた彼から、直球すぎる感想が放たれた。

胸がときめくとともに涙腺が刺激されて、じわりじわりと目頭に熱がこもる。


さっきまでデレデレニヤニヤふざけていたくせに。

なんでいっつも、最後の最後で。


どうして今日だけは──ずっと欲しかった言葉をくれるの。




「──ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております」



会計を済ませ、店員さんに「ありがとうございました」とお辞儀をしてお店を出た。



「買えて良かったね」

「うん」



手元に視線を下げ、服が入った紙袋の取っ手を優しく握りしめる。


数ヶ月間、誰にも見初められず、売り場の奥でひっそりと陰に隠れていた。


たとえ安くても、私にとっては初めて心が動いた服。


女の子であることを思い出させてくれた、とっておきの1着──。



「ありがとう」

「いーえ。力になれたのなら良かったです」
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