甘い毒に溺れ堕ちて
スマホのカレンダーに登録する茉耶を見て、自分も心の中で復唱しながら記憶する。


サンキューらんらんか。春生まれだけに春爛漫みたいな? リズム感があって覚えやすいな。

クラスメイトからは苗字と下の名前が多いけど、小中の同級生からはあだ名で呼ばれてたのかな。



「真彩ちゃんは誕生日いつ?」

「6月28日」

「えっ、真彩ちゃんも6月なの?」

「うん! それで意気投合してめちゃめちゃ仲良くなったんだよね〜」



友達になったきっかけを話す茉耶に、うんうんと頷いて同意する。


そうそう。小1までは仲のいいクラスメイトの感覚だったのが、小2の時、クラスだよりの今月の誕生日コーナーに名前が載ってて。

当日、先生にバレないように個装タイプのクッキーをあげたら、あっちも後日、こっそりとアメ玉でお祝いしてくれたんだよね。


懐かしんでいると、スマホを凝視中の藍くんから「ええぇ……」と嘆く声が漏れ出た。



「日曜じゃん。しかも次の日からテストじゃん。プレゼント持ってけないじゃん〜……」

「あっ、大丈夫だから! 無理しなくていいよ。気持ちだけでも充分ありがたいし……」



うなだれる彼の背中に手を添える。


口では遠慮しつつも、嬉しいものは嬉しい。


ネックレス、髪飾り、キーホルダー、文房具。

得意分野ならスイーツ? 今の時期はプリンよりかはのどごしがいいゼリーかな?


尋ねられたから答えただけであって期待はしてないけど……想像する分は別にいいよね?


チャイムが鳴って自分の席に戻った後も、胸の高鳴りは収まらず。

予習もろくにできないまま1時間目の授業が始まってしまった。
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