甘い毒に溺れ堕ちて
パチパチパチパチとあちこちから感動の拍手が上がる。


一人っ子だったんだ……。

てっきり歳が離れたお兄ちゃんかお姉ちゃんがいる末っ子だとばかりに……。



「ちなみに、昔は布や綿を使って……」

「もう大丈夫。ありがとう」



時計をチラ見し、藍くんを座らせた先生。

このままだと丸1時間藍くんの演説会になっちゃうもんね。


新たな事実の判明に意外性を感じた。


のも、つかの間──。



「成見くん、まだ読んでるね」



昼休み。日本史の教科書を読む手を止めて、茉耶の視線をたどる。



「期末の勉強かなぁ? それともまあちゃんと同じで予習とか? 明日も授業あるし」

「なのかなぁ……」



相づちを打ちつつ、読書中の藍くんを盗み見る。


余韻が抜けないのか、はたまた興味が湧いたのか、4時間目が終わってからずっとこの様子。


お昼ご飯の時は、購買のパンを頬張りながら読んでいて。

お菓子タイムの今は、一口サイズのクッキーをつまみながら、真剣な顔つきで読んでいる。
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