甘い毒に溺れ堕ちて
「おはよーございまーす」



気分を良くしていると、次は自転車通学の生徒が登校してきた。



「おはよう。おー、懐かしいなその髪型」

「最近流行ってるんですよ〜。先生もやってみます? コテ使えば簡単にできますよ」

「そうなのか? じゃあ今度妻に頼んで試させてもらおうかな」



生徒指導の先生と仲睦まじげに話す、ソバージュヘアの女子生徒。


大半の学校が、巻き髪やパーマなどの派手な髪型は禁止されているけれど、私たちの学校は珍しく自由。

勉学に支障が出ない&他者を妨害しない程度ならば、どんなヘアスタイルでも、どんな髪色でもOK。


なので、あの金髪も、苦情が来ない限りは校則違反に当てはまらないのだ。



「あれがソバージュかー。名前は聞いたことあったけど、パーマっぽいんだな」

「意外だよね。私も最初はおそばみたいな色なのかな〜って思ってたもん」



左隣から秘かに話す声が聞こえてくる。


お堅い印象とは反対に、話すと気さくでフレンドリーな彼。同学年なのもあってか、出会ってわずか5分でこの様子。

そりゃ藍くんとも気が合いそうだよなと、1人納得する。
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