甘い毒に溺れ堕ちて





遡ること1年前。細かく言うと5月の中旬。

連休明けに髪を染めてきた彼の指導をしてほしいと、担任からお願いされたのが全ての始まりだった。



『でも……違反、ではないですよね?』

『そうなんだが、なんせ遅刻が多くてな。授業中もずっと寝ていると先生から聞いてて……』



私にとっては、ただのクラスメイト。
先生たちにとっては、遅刻・居眠りの常習犯。


詳しく聞けば、課題や保護者宛の書類も、毎回数日遅れで提出している、と。



『事情はわかりました。けど、そういうのは風紀委員に頼んだほうがいいのでは?』

『そうしたんだが、2人揃って荷が重いと断られてしまってな……』



申し訳なさそうに顔の前で手を合わせ、「頼む! 通知表に反映するから!」と懇願された。


風紀委員がダメなら委員長に──生徒会経験者に、という発想に至ったらしい。

加えて新入生代表の挨拶を務めた首席入学者でもあったため、他に適任と言える人がいなかったのだろう。



『……わかりました。ちゃんと、評価してくださいよ?』

『ありがとう……!』
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