甘い毒に溺れ堕ちて
麦茶をコップに注ぎ、彼女に渡した。

ついでに自分の分もグラスに注いで一気に飲み干し、火照った身体を冷ます。



「今日も暑いわねぇ。梅雨はどこに行ったのかしら」

「雨が恋しいですよね。明日は降るみたいですけど……」

「あら、明日雨なの?」

「はい。予報では来週に梅雨明けするらしいですよ。土日以降は、ほぼ毎日晴れの日が続くみたいです」

「そうなの!? 今年はずいぶんと早いのねぇ」



予想通り、初耳の反応を見せた華子さん。

昨晩の天気予報で気象予報士のお兄さんが解説していたのだが……デザートのゼリーに夢中になっていたため、記憶に残らなかったのだろう。



「今日のデイサービスは、どんなことしましたか?」

「今日は……リハビリと、テレビを観たわ。小さい男の子と、ヒゲの生えたおじさんが川で遊んでてね……」

「川遊び、ですか?」

「ええ。ご飯食べながらサチエちゃんと一緒に綺麗ね〜って話してて。どこかの山の近くらしいんだけど……」
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