甘い毒に溺れ堕ちて
脳内で大まかに予定を組み立てていると、信号が青に変わった。

小走りで横断歩道を渡り、散歩コースにつながる小道に入る。



「うっ、あっつ……」



パーカーをつまんでパタパタさせ、上半身に風を送る。

ヘトヘトで帰宅していた昼間よりかはマシだけれど、走ったせいでまたじんわりと汗が噴き出してきた。


脱ぎたい。それか腕まくりしたい。でも蚊に刺されちゃうもんな……。

このまま家に帰ってお風呂に浸かりたいけど……。



『──三者面談のプリント、まだもう少しかかる?』

『は? プリント? なにそれ』

『えっ、先週渡したけど……』

『知らないわよ。どこに置いたの』

『どこって、いつものテーブルの上に……』



小石を思いきり蹴り飛ばす。


……どうせ今帰ったところで、さらに険悪な空気になるだけだから。
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