甘い毒に溺れ堕ちて
「じゃあやっぱり……」

「ん? 何か思い当たることでもあるの?」

「確証は、ないんだけどね……」



視線を斜め下に落とし、言い淀む。


あの日目の当たりにした光景、起こった出来事。

直感的に抱いた仮説が事実とするならば、交流歴が長い夏目くんに尋ねるのが最適。


だが、本人の許可を取っていないので、勝手に打ち明けることはできない。



「……実は、先月も具合悪そうにしてて。体育の授業中、途中で保健室に運ばれたの」

「ええっ! 倒れたの? それか吐いたとか?」

「ううん。少しフラフラしてて尻もちをついただけ。怪我はなかったんだけど、軽い脱水症状を起こしてたみたいで……」



頭をフル回転させ、慎重に言葉を選び、1つ1つ丁寧に組み立てるように口にしていく。



「藍くんは、家のお手伝いを頑張りすぎたみたいって言ってて」

「なるほど」

「だから今回も、それが原因なんじゃないかなぁって思ってるんだけど……」
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