甘い毒に溺れ堕ちて
聞きたくない。信じたくない。

頭を抱え込んで頑なに拒絶している。


ううん、本当は受け入れたいんだ。

けどきっと、これまでにも何回も同じ結末をたどってきたのだろう。


次こそは。今度こそは。


わずかに挿し込んだ光に手を伸ばすけれど、ことごとく幻で。


もう期待するもんかと固く誓っても、やっぱり諦めきれなくて。

何気ない言動に一喜一憂してしまう。



「……藍くんさ、前に私に言ってくれたよね」

「なに、を……っ」

「自分の気持ちに素直になってもいいんだよ、って」



目を充血させる彼の背中にそっと手を回す。



『いいんだよ、自分の気持ちに素直になっても』

『泣きたくなったら、いつでも俺のとこおいで』



我慢ばかりの私に優しく寄り添ってくれたあの日。

涙は卒業式の日に予約してるけど……正直、今の状態じゃ、到底身を任せられない。
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