甘い毒に溺れ堕ちて
お皿を持ち、カメラレンズに笑いかけた。カシャ、カシャ、と2回シャッターが切られる。

ケーキとのツーショットなんて、久々を通り越して懐かしいな。多分幼稚園以来じゃなかったっけ。



「どうかな? 撮れた?」

「バッチリ! 可愛すぎて待ち受けにしたいくらい」

「え」

「あぁでもホーム画面も捨てがたい……。枕元に置いて寝たら夢に出てきたりするのかなぁ」

「な、何言ってるの……!」



あたふたと慌てる私に、「冗談だよ」と笑う藍くん。

ムッと口をへの字にして睨むも、嬉しそうにデレデレと頬を緩ませている。


そうだった、この人には全く効かないどころかご褒美扱いになるんだった……。

冗談を言えるくらい元気になったのは良かったけれど、相変わらず直球すぎて心臓に悪い……。



「……まさかとは思うけど、今の待ち受け、浴衣の写真じゃないよね?」

「いやいや。さすがにそれは。来栖さんそこ代わってくれとは何回も思ったけど」

「データとかももらってない?」

「もらってない」

「見せてもらっただけ?」

「見せてもらっただけ。俺とのツーショに加工してアルバムに保存したいなぁとは思ったけど」
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