甘い毒に溺れ堕ちて
藍くん、それは反則だよ。あとお菓子で釣れるほど大人はチョロくないから。

確かに藍くんの作るお菓子は舌鼓を打つくらい絶品だけど。


いつもの私だったら、馬鹿真面目に突っ込んで諭していただろう。



「じゃ、お互い頑張ろうね」

「うん」



グータッチで励まし合い、教室に入る。

自分の席に座り、5時間目の準備をしていると、ふと黒板の横に飾られた笹の葉が目についた。


学生なら誰もが通る道。

お父さんだって、『毎年この時期は憂鬱だった』とぼやきながらも乗り越え、自分の人生を確立させた。


星に願おうが、月に願おうが、神に願おうが。

こればかりは天変地異が来ない限りは避けられない。


窓の外を眺め、穏便に終わりますようにと空に祈る。


──しかし、その願いは叶うどころか、粉々に打ち砕かれた。




「──ねぇ、さっきの、どういうこと……?」
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