甘い毒に溺れ堕ちて
母は晴日と晴月を小学校へ送り出した後、仕事を休職。父の単身赴任が終わったタイミングで療養のため実家に帰っていた。

現在は心療内科に通院しながら復職に向けて準備を進めている。


まだまだ修復には程遠いが、今朝起きたら、【まあや、卒業おめでとう】とメールが届いていて。

ベッドの中で嬉し泣きしたのはここだけの秘密だ。



「藍くんは? 最近どうなの?」

「お、聞いちゃう?」

「聞いちゃう。聞かせてよ」

「ええ〜、どうしようかなぁ〜」



もったいぶりながらも、口角はゆるゆる。声のトーンも先ほどより1段階上がっている。

話が振られるのをずっと待っていた様子。



「成見家については、さっき廊下で会った通り。夫婦仲良くやってます」

「そっか」

「ばあちゃんはねー、残念ながら、あれから1度も会ってないんだよね。今までお世話になりましたーって、施設の前でバイバイしたのが最後」

「面会もしてないの?」

「うん。電話もメールもしてない。けど……」

「けど……?」

「なんと今月、一時帰宅の許可が降りました〜!」

「えええ〜! おめでとう〜!」
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