甘い毒に溺れ堕ちて
「藍くんが積極的に聞いてくれるから、おかげで成績上がったんだよね」

「どれくらい上がったの?」

「教科によってばらつきがあるから、細かく言うのは難しいけど……最初平均80点台だったのが、3学期で90点台になった」

「ええー! そんなに!?」



驚愕のあまり、ガバッと飛び起きた藍くん。


ただ疑問に感じたから質問してるだけなのに。まさか他の人にまで影響を及ぼしていたなんて。そう言いたげな表情。

だけど、実際1年の頃は、他のクラスよりも平均点が高かったと担任から聞いた。

8割方は藍くんのおかげだと、冗談抜きで思っている。



「我が道突っ走ってそうに見えて、案外周りのこと見てるし。今日も鼻血出してた体育委員の子にさりげなくティッシュ渡してたし」

「見てたんだ」

「大声でお礼言われてたから。握手もされてたし」



人たらしに見えて、根は真面目。
マイペースだけど、場をわきまえている。

……悔しいけど、人気者にならないほうがおかしいよね。



「そりゃあ人が寄ってくるはずだよね。おまけに顔も整ってるし。愛されないわけがないよ」

「……顔?」
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