甘い毒に溺れ堕ちて
……しまった。ついペラペラと……。


恐る恐る横を向くと、片方だけ口角が上がっていた。

それは一昨日も目にした、妖しさを含んだ微笑み。



「へぇ〜。顔も整ってる、ねぇ」

「っ、ごめん。気に触った?」

「ううん。全然」



ジリジリと距離を詰めてくる彼から後退りする。



「真彩ちゃんさ、ほんとは俺のこと好きでしょ」

「そ、そういうわけで言ったんじゃ……」

「積極的に発言してる俺が相づちしか打てないぐらい饒舌だったんだよ? なんとも思ってなかったら、こんなスラスラ褒め言葉なんて出てくるかなぁ?」



とうとう椅子の端まで来てしまった。


立って、走り去ればいい。

そうしたいけど、真っ直ぐな眼光が、私の全身を強く縛りつけてきて。力が入らない。


意地悪な表情を浮かべた彼が容赦なく顔を覗き込んでくる。



「顔、赤くなってる」

「近いって……」

「いいよ、近くで見ても。なんなら触ってみる?」
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