甘い毒に溺れ堕ちて
土曜日は茉耶と散歩に行くため、遅くても8時までには。

日曜日は晴日と晴月の好きなテレビが放送されているので、基本7時台には起床。


長期休みの時期はもう少し遅いけど、仕事がある母のサポートをしなければならないため、平日は8時までには起きている。



「……7時台なら、ギリ大丈夫そうかな」

「何が?」

「モーニングコールお願いしようと思って」



足を止め、これでもかと目を大きく見開く。



「ええと……それは、何曜日のことを指しているのかな?」

「土日。と、祝日。あとお弁当も作ってきてほしいんだけど」



ためらう素振りもなく即答された。
かと思えば、追加で手作り弁当もねだられた。



「……もし電話つながらなかったら?」

「メッセージで『藍くんおはよう』って送ってくれたら大丈夫。お弁当はあとでお金渡すから、それで食材買ってもらえれば」



イライラメーターがグングン上がる。


……ねぇ、注文多すぎじゃない?

やっと一息つけると思ったのに。休日まで働かせるなんて……っ。



「ちょっと多くなっちゃったけど……いいかな?」



手のひらを合わせた彼から、様子をうかがうように上目遣いで見つめられる。


ずるい。鬼畜。横暴。恩知らず。

感情のままに言い散らかしてぶつけたい。


だけど、王様の命令は絶対。逆らえば自分の首を絞めることになる。



「いいよ。来週作ってくる」

「ありがとう!」



笑顔を貼りつけて返事をし、重い足取りで教室に戻った。
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