【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!
なんて思ってたら、次の瞬間彼の手がスッと私の胸元へと伸びてきて。


「リボン曲がってるし」


そのまま制服のリボンを掴んだかと思うと、軽く引っ張って位置を整えてくれた。


「え、ウソッ。ありがとうっ」


わぁ、何をされるのかと思ったら、リボンを直してくれたんだ。


楓くんから話しかけてくれるのって珍しいから、ドキッとしちゃったよ。


初対面の日もそうだったけど、楓くんは私のボディガードをすることに対してあまり気が進まないみたいで。


いまだに全然打ち解けられていない感じだからちょっと緊張しちゃうけど、悪い人ではないと思う。


今だって、リボンが曲がってることに気付いてわざわざ直してくれたし。


本当はもっと仲良くなれたらいいなと思うけれど、眞白くんいわく、楓くんは女ギライなんだもんね。


だから、私ともそんなに親しくしたくないのかもしれないし、迷惑だけはかけないように気をつけなくちゃ。



< 12 / 350 >

この作品をシェア

pagetop