その海は、どこまでも碧かった。

「でも、キスしたんだろ」



キモい、オレ

でも、そこ重要



「…してない

キス、してない

してくれないから
私から、キス、しようとしたら
拒まれた」



ん…かわいい





「海、ごめん…
笑っていい?」



「碧くんの、バカ!」



「海は、がんばったよ

海は、恋してたよ

海は、かわいいよ」



「ホント、に…?」



「うん

オレは海と、キスしたいよ」



「ホント、に…?」



「うん

だから、泣くなよ」



「うん…」



「海、がんばったね」



ーー



海にキスした



こんな時

いつもキスしてた



こんな時

いつもキスしたくなった



海がかわいいなって思った時



オレと海の間では

なんてことないけど

他の人が見たら

幼なじみだとしてもルール違反だと思う


それも悪かったかな…


それも知ってた



でも

オレ

海が好きだから



幼なじみだからじゃなくて

女の子として

海が好き



海の1番になりたいって言った彼は

ホントに海を大好きだったと思う


海が本気で自分を好きになってくれるの

待ってたと思う



オレの寂しさなんかより

ずっと辛かったかもね



好きなのにキスしないって

大好きな女の子が目の前にいるのに

キスできないって

男は相当辛いよ



彼も辛かったと思うよ




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