その海は、どこまでも碧かった。

「どの辺で見る?」



「んー…碧くんが暑くないとこで見よう」



「どこでも暑いだろ」



うん、たしかに…



「あー!海ー!」



「あ!ユナ!大樹!
みんなは?」



「この辺で待ち合わせしてるんだけど…」



ホントはみんなで行く予定だった


でも

碧くんと行きたかった



「宙たち着いたって…
メッセージきてた」



「あー、いた!
こっちだよ!」



ユナが手を振った先に

みんなが見えた


みんな浴衣着てる


宙、久しぶり

また黒くなってる

部活がんばってるんだね



「海、オレ飲み物買ってくるわ」



「うん、碧くんありがと」



碧くん

気を使ってくれたかな?



「海!」

「久しぶり〜元気だった?」

「アレ?海、浴衣は?」

「みんなで一緒に買いに行ったじゃん!」



「うん、私は今日は…」



「一緒に行かないの?」

「えー!海いないとつまんない」

「せっかく浴衣も買ったのに…」

「海、浴衣似合ってたよ!」



「うん、ごめんね…
今日、碧くんと来てるから…」



「あー、噂のあおくん?」

「あおくん、友達いないの?」

「大学生なんでしょ?」

「一緒に花火大会来る彼女いないの?」



「んー…碧くんは…」



「そろそろ始まるから、行こうよ」



宙の声でみんなが振り返った



「じゃあ、海またねー!」

「遊ぼうね!連絡するね」

「バイバーイ!」

「あおくんにヨロシク!」



「うん、みんなバイバイ」



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