その海は、どこまでも碧かった。

「水瀬、元気だった?」



みんなが行ったあと

宙が話し掛けてくれた



「うん、元気だったよ」



「少し、焼けた?」



「うん、宙の黒さには負けるけどね
海行ったからかな…」



「あおくんと?」



「うん…」



「メイク、いつもと違うね
かわいいよ」



「そぉかな…?」



碧くんは

そんなこと言ってくれなかった



「水瀬の浴衣見たかったな…」



「うん、私も着たかったけど
碧くんが…」



「水瀬は、相変わらず、あおくんだね

あ!あおくん来たよ
じゃあ、オレ行くね
また新学期話そうね」



「うん

宙…」



「なに?」



「ありがと…」



「なに?急に…」



「ごめん…みんな行っちゃったね
部活ガンバってね!」



「うん、ありがと」



さっき助けてくれたよね

そろそろ始まるから、行こうよ…って…



たぶん私が困ってたから

言ってくれたんだよね



優しいね

私は宙を傷付けたのに…


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