その海は、どこまでも碧かった。
暗闇の中
しばらく彼女が鼻を啜る音がした
寝れないよね…
「ねぇ…三咲さん…
寝た?」
「寝てない…寝れない…」
「ごめんね
オレが泊まったから…」
「風美くん
私の名前、知ってたんだね
さっき呼んでくれて、嬉しかった」
「うん…」
確か三咲のアパートで…って言ってた
それで知ったぐらいだけど
「ごめんね、風美くんも眠れなくて…」
「三咲さんは、謝らないで…
ここ、三咲さんの部屋だし…
…
三咲さんのベッドだし…
…
オレが帰ればよかった話だから」
終電がなくたって
タクシーで帰るとか
カラオケとか漫喫で寝るとか
いろいろ方法はあった
オレは海が好きなのに
なんで女の子の部屋に泊まったんだろう
しかも同じベッドにいる
オレが誘った
今まで合コンも参加したことなかったのは
海がいながら…って思ってたから
海はもぉいないから
オレの元にいないから
だからたぶん合コンにも参加したし
帰らなかったのかもしれない
オレも寂しかったのかな?
三咲さんと同じ
弱くて、嫌になる