その海は、どこまでも碧かった。

宙が部活頑張ってるのに

私は身体が熱くて

ずっとベッドにいた



昼すぎにやっとリビングに下りた



「海、誕生日おめでとう
17歳も素敵な1年になりますように…」



「ありがと、ママ
パパは?」



「朝早く海行ったよ
もぉ帰ってくるかな…」



「あ、碧くんが海行きたいって言ってたよ」



「そぉ、きっとパパ喜ぶわ」



アレ?



「コレ…ケーキ?
ママ作ってくれたの?」



「あ、見つかっちゃった
夜みんなで食べようと思ったのに…」



冷蔵庫の中にあった少し不格好なケーキ

手作りだってすぐわかった


うみちゃん
17さいおめでとう


プレートの文字も歪んでた



「嬉しい!
ママ、ケーキなんて
作ったことなかったのに、ありがとね」



「うん、だって、ママじゃないから…」



ママが笑った



「え?」



「碧くんがさっき持って来てくれたの」



「え!碧くん?」



碧くん、バイトだって言ってたのに…



「私、お礼言ってくる!」



「碧くんいないよ
バイト行くって言ってたから…」



バイトの前に作ってくれたんだ

私がサプライズ催促したからかな?



碧くん

忙しいのにごめんね



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