その海は、どこまでも碧かった。
また宙と手を繋いで歩いた
カップルとすれ違うたび
私達もちゃんと付き合ってるんだねって
なんか安心した
普通のカップルだよね
「ユナ達いないね…」
「うん…」
「もぉ帰ったのかな?」
「うん…」
「あ!写真撮ろう!
宙と一緒の写真
まだ撮ったことないよね?」
「うん…」
「宙、こっち見て…
…
撮るよ…」
ふたりで並んでスマホをかざした
カシャ…
「あ、私、目瞑ったー
もぉ1枚ね!」
カシャ…
「宙…?」
宙が私に重なって写ってた
「これじゃ、顔見えないね
夜景は綺麗に写ってるのにな…
ごめんね、下手で…
もぉ1枚…」
「それも、あおくんに送ってよ」
「え…でも、コレ顔見えないし…」
「キスしてるみたいじゃない?」
「あ、うん…ホントだ…」
「そんなの送れないか…
あおくん、心配するかもね」
宙どぉしたの?
なんでそんなこと言うの?
「宙、怒ってる?」
「怒ってない
ごめん、気にしないで…」
「コレって、ケンカ?
付き合ってたらケンカもするよね!」
「ごめん…
ケンカでもない
…
オレの勝手な嫉妬だから
気にしないで…」
宙が
手を繋いでくれなかったから
私から繋いだ
「宙…」
「…」
聞こえなかったかな?
ずっと無言で歩いて
ホテルに着いた
宙
キスできないから機嫌悪いのかな?