その海は、どこまでも碧かった。
「じゃあ、水瀬、おやすみ」
「うん
誘ってくれて、ありがとう
写真もちゃんと撮りたかったな
明日、撮ろうね!」
「ごめん…水瀬…」
宙?
どーしたの?
なんで謝るの?
私はお礼を言ったのに
「明日、一緒にいれない?
宙、大輝たちと行動する?
それなら、私…」
「しないよ
一緒にいたい…
水瀬と一緒にいたいよ」
「良かった
楽しみだね!」
「うん…
じゃあ、また明日…」
「うん…おやすみ、宙」
宙?
宙から手を繋いでくれなかったのに
離してくれなかった
キス…?
される?
宙が近くなって
宙の頬が私の頬をかすった
アレ…
キスじゃない
「水瀬、好きだよ」
耳元で聴こえた
優しい声
「うん、ありがと…宙」
よかった
怒ってなかった、宙
やっぱりケンカじゃなかった
でも
やっぱり
キスじゃなかった