その海は、どこまでも碧かった。

帰りのバスは

なんとなく寝れなかった



また宙に抱きついたら大変



代わりに買ってもらったシロクマを抱っこした



「シロクマかわいかったな♡
コレ、ありがと、宙」



「うん
大きかったね」



「うん」



そーだ!

碧くん写真みてくれたかな?



スマホを開いた



碧くんから返信がきてた



〔彼氏とラブラブじゃん〕



後ろのシロクマについての感想はなかった



〔だって彼女だもん〕



彼女の特権

ユナが言ってたもん



当たり前のことでしょ

ふたりで写真撮るくらい



「水瀬、寝ないの?」



「うん、眠くないから〜
夜寝れなくなると悪いし〜」



宙が笑った


わざと寝ないのバレた



ピロン…ピロン…



碧くんから写真が送られてきた



〔オレはくだらない日常生活してます〕



大学の人達かな?

碧くんの周りに何人か写ってる



碧くんのすぐ隣には

あの人がいた



碧くんは

彼女じゃないって言ったけど…



隣にいるのは

彼女の特権じゃないの?



「水瀬、オレちょっと寝るから…
コレかして!」



「え!」



抱いてたシロクマのぬいぐるみを宙に取られた



「水瀬の代わり」



宙はそう言って

目を閉じてぬいぐるみを抱きしめた



私の代わり…って…



代わりにしなくても

私を抱きしめてよ



なんて…

さっき寝ボケて宙を抱きしめて

みんなに揶揄われて恥ずかしかったのに…



宙って

綺麗な顔してる



寝てる宙をずっと見てた



この人に抱きしめられるとか

想像しただけで緊張する



たぶん息できない




死ぬかも…


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