その海は、どこまでも碧かった。
海が中学生の頃
「最近海行ってないね」
「うん行かない
だって日焼けしたくないし…
友達はみんな色白なんだもん
私だけ黒いのヤダ」
海のパパはサーフィンをしてて
よくオレと海も一緒に連れて行ってくれた
「女の子なのに髪も短くて男の子みたいだから
髪ぐらいのばしたら?」
海のママはいつも海にそう言ってたけど
「ヤダ
だって長いと潮風で髪がバサバサになるから」
ずっとショートだったのに
中学になって髪を伸ばし始めた海
「人生で1番長いかも…」
肩まで伸びた髪を耳に掛けながら海が言った
「最近どーしたの?
好きなヤツでもできた?」
「好きな人?
どーして?」
「海、好きな男子のために髪伸ばして
色白目指してんのかな?って…」
「碧くんは髪が長くて色白の女子が好きなの?」
「オレは、その子に似合ってればいいと思うよ」
「私はどんなのが似合う?」
「海?どぉかな…
ショートで黒い海しか見たことないからな」
「碧くんは私に興味ないんでしょ!」
きっと海はどんなでも
オレは海が好きだと思った