ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
“世界の一条”と言われるほど、日本経済界で大きな力を持つ一族。その後継者である花音は、僕と同い年。物心ついた時からずっと一緒の幼馴染だ。でもただの遊び相手じゃない。僕は花音に助言したり、時には諫めたりと参謀役を引き受けていた。

琴羽ちゃんは、花音の一番近い親戚。花音を守り、引き立てる為に徹底して“影”を引き受ける。

花音がどれほどの才能があるか。しかも、その才能を最大限に活かすために、どれほどの努力をしているか。それは、僕も痛いほど知っている。

だからこそ、二人の力になりたかった。
父の仕事を継がずにアメリカ留学をしたのもその為だ。起業して一条と提携しながら、花音を支えようと思っていた。

でも、留学中に琴羽ちゃんが身体的理由で、しばらく秘書の仕事を休まなきゃならなくなった。
僕は留学を取り止め、花音の秘書を担った。ただ、琴羽ちゃんが戻れば秘書は二人もいらない。

そこで僕は弁護士になった。花音の戦力にもなるし、僕がいれば琴羽ちゃん一人で仕事を抱えずに済むように。


花音は時に非情な判断もする。利にならないものをばっさり切り捨てる。だけど、実際にそのことを伝達するのは琴羽ちゃんだ。花音は、それをおくびにもださずニコニコしているだけ。

割に合わないよなぁ。本当に情が厚くて、誰より胸を痛めているのは琴羽ちゃんなのに。
でも、罵詈雑言を一身に浴びて耐える役回りは、琴羽ちゃんだから出来るんだ。トップになるべき花音がいちいち恨みを買っていたら、命がいくつあっでも足りないだろう。


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