ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
「長野先生、白衣ありがとうございました」
「いや、俺はいいんだけど、やっぱり大きいな」
「看護師さんはもちろん、患者さんにまで笑われました。笑顔のもとになるなら、これからもオーバーサイズ着ようかなぁ」

白衣を貸してくれた先輩の長野先生は大笑い。

「そうだ、夏休みのことなんだけど。五日間連続で必ず取れって。
新しい事務部長がさ、俺たちの休暇取得率の低さに驚いたみたいで掛け合ってくれたんだって」


長野先生からの情報にびっくりした。
ずっと長期の休みが取れずにいたから、むちゃくちゃうれしい!

昼に声をかけられた事務部長を思い出す。美人なだけじゃなく、なんていい人。


「事務部長って若い女性ですよね?よくあの若さでそんな役職につけましたね」

「確か、二十七歳。二葉より歳下だな。
でもさ、彼女、光英大学理事長の娘だから。
めちゃくちゃやり手らしいぞ。
事務部長もただのステップアップの為の踏石にすぎないんだろうな。この休暇取得の号令も、一過性になりませんように」

長野先生は、まるで拝むように手を合わせてる。

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