お嬢の神隠し
「ところでさ、私達も莉乃に何も話さなくてもいいの?」

私達はまだ莉乃に話していない。これからも一緒に過ごす仲だからそろそろ話すべきだと私は思っていた。

「すでに俺達と莉乃が関わってる時点で、いつ莉乃が巻き込まれるか分からねーからな」

「そだねー、喧嘩に巻き込まれちゃうかもだし。てかさ、莉乃ちゃんは俺達の事知らないんだね?」

「東京から引越ししてきたんだもん、しょうがないよ」


やっぱり莉乃には全部、話すべきなんだ。

でももし、話した事で莉乃が遠くに行っちゃったらどうしよう。

そういう不安がたくさん混み上がってきた。

「詩、莉乃ちゃんなら大丈夫」

私の気持ちが表情にでてそれを、海里は察してくれたかのように、私の頭を優しく撫でてくれた。


海里のこういう所が私は大好きなんだ。


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