お嬢の神隠し
「詩さ、莉乃の親と会ったことある?幼稚園一緒だったんだろ?」

そう、私と莉乃は一緒の幼稚園だった。しかも一緒のクラス。だからといって毎日遊んでいたわけではなかったけど、一緒にお弁当を食べていたりはしていた。

「今思うと私、莉乃の親見た事ないかも。毎日の送り迎えは、お手伝いさん?みたいな人が多かった。時々お兄さんとか」

「お手伝いさん?!莉乃ちゃん、どっかのお嬢様かなんか?」

いつも莉乃をスーツっぽいのを着たお爺さんが送り迎えしてたはずだ。

だから、私の記憶上1度も莉乃の親を見たことがないかもしれない。

だからと言って親がいないってわけでは無さそうだ。


まずまず律って誰よ!!!

「まーいつか莉乃から話してくれるんじゃないか、それまで俺らは待とうぜ」

「おっ、秀羽君は莉乃ちゃんの事、しっかり信用してるんだねぇー」

「当たり前だ」

海里が言ったことに対して、秀羽は少し照れくさそうして言った。


秀羽の言う通り、私も莉乃から言ってくれるのを待とう、それが一番だ。


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