お嬢の神隠し
従兄弟かー、私は長く会ってないなぁ。
元気してるかな?

「莉乃さんって東京から来たんですか?」

「うんっそうだよ」

「は?!東京からなんでこんな所に、華山市なにもねーじゃん」

魁輝くん、そんなに華山市が嫌いなのか?
全然いい所じゃん、海があって山があって普通に大きなショッピングモールもあって、住みやすいと思う。


「莉乃さんのご両親はなにをしてる方なんですか?」

お、それを聞くか。財閥関係とは言い難いからなー、

「会社の経営してるよ」

これも嘘ではない。日本の伝統文化的?に関わる会社だった気がする。


「え、会社経営してるの?すごーい」

「いやいや、そんなに大した事ないよ」


小さい頃からパパは家にいることが少なかったし、仕事の話も一切家には持ち込まない主義だから私はあまり知らない。


「そーいえば、莉乃ちゃんの幼なじみの遥斗ってやつ、喜琉だっけ?」

「は!あの西谷財閥次期組長の喜琉か?!」

またまた魁輝くんが大声をあげて騒いでる。


「喜琉かー1度でもいいから会ってみたいなぁー」

「それじゃぁーいつか、東京一緒に行く?」

「え!行くいく!皆で行こうよ!」

「よっしゃぁー!」

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