逃げて、恋して、捕まえた
今日一日奏多さんとのシンガポール観光を了承したところで、何か食べようと言われサンドウィッチとパンケーキを注文した。
「すごく日本っぽいですね」
出てきた料理を見ての素直な感想。
「ここはちゃんとしたホテルだからね、日本と変わらないものが出てくるよ」
「へえー」
そうなんだ。
「もしかして気に入らなかった?」
「いいえ、そうではないんです。少し不思議な気がしただけで、こういうフルーツと生クリーㇺたっぷりのパンケーキが食べたかったんです」
「そう、ならいいけれど」
運ばれてきたサンドウィッチに手を伸ばす奏多さんが、じっとパンケーキを見ている。
「もしかして食べたいですか?」
「違うよ。すごい量のクリームだなと思って」
「そうですね、すごいです」
「こういうのが好きなの?」
「うぅーんどうでしょう」
「どうでしょうって?」
私ははぐらかすつもりで言ったわけではない。
本当に、好きなのか嫌いなのかわからなかっただけ。
「実は初めて食べるんです。仲良くしていた友人が甘いものがダメで、一緒にいるときに頼むと嫌がったんです。だから一度食べてみたいと思っていて」
これは嘘じゃない。
蓮斗と付き合っている間、食べに出た時の注文はいつも蓮斗がしてしまっていたから、私は好きなものを頼んだ覚えがない。
それでも、蓮斗のお勧めはたいてい美味しかったし、二人で分け合って食べるのも好きだった。
「随分わがままな彼氏だな」
「えっ、あぁ」
ヤダ、バレている。
「すごく日本っぽいですね」
出てきた料理を見ての素直な感想。
「ここはちゃんとしたホテルだからね、日本と変わらないものが出てくるよ」
「へえー」
そうなんだ。
「もしかして気に入らなかった?」
「いいえ、そうではないんです。少し不思議な気がしただけで、こういうフルーツと生クリーㇺたっぷりのパンケーキが食べたかったんです」
「そう、ならいいけれど」
運ばれてきたサンドウィッチに手を伸ばす奏多さんが、じっとパンケーキを見ている。
「もしかして食べたいですか?」
「違うよ。すごい量のクリームだなと思って」
「そうですね、すごいです」
「こういうのが好きなの?」
「うぅーんどうでしょう」
「どうでしょうって?」
私ははぐらかすつもりで言ったわけではない。
本当に、好きなのか嫌いなのかわからなかっただけ。
「実は初めて食べるんです。仲良くしていた友人が甘いものがダメで、一緒にいるときに頼むと嫌がったんです。だから一度食べてみたいと思っていて」
これは嘘じゃない。
蓮斗と付き合っている間、食べに出た時の注文はいつも蓮斗がしてしまっていたから、私は好きなものを頼んだ覚えがない。
それでも、蓮斗のお勧めはたいてい美味しかったし、二人で分け合って食べるのも好きだった。
「随分わがままな彼氏だな」
「えっ、あぁ」
ヤダ、バレている。