青、こっち向いて。
たまちゃんはつまらなそうに口を尖らせていたけど、すぐににっこり笑うと「もしさみしかったら、すぐあたしたちのとこ来てもいいんだからね」と言った。
たまちゃんはそう言ってくれるけど、香椎くんに申し訳ないから気持ちだけ受け取っておこう。
そういえば、と城田くんの席を盗み見る。
いつもは私が掃除を終えて、たまちゃんが登校してくる前には教室に戻ってきているのに、席は空いたまま。
カバンだけがぽつんとさみしそうにそこにあるだけ。
結局、城田くんが教室に戻ってきたのは担任の先生が教室にやってくる、ほんの少し前だった。
そのまま城田くんとはもちろん一言も交わすことなく、そもそも目すら合わずに、午前の退屈な授業を終えて
お昼休み。
「まじでいつでも来て大丈夫だからね?!」
大きな黒いお弁当の袋と、小さなピンクのお弁当の袋を二つ腕に下げてたまちゃんは教室を出て行った。
私もたまちゃんに手を振ってその背中を見送ったあと、購買に向かった。
滅多に購買には来ないから、一番人気ってみんなが話してるカツサンドが食べてみたかったけど、もうすでに売り切れていて、私はサンドイッチとパックのジュースを買って食べる場所を探す。
中庭にベンチがあったはずだからそこで食べようかな