Chat Noir -黒猫と私- バイオハザー度Max- Deux(2nd)


“寝てた”ってのは本当のことだろうか。


何もかも疑うのは良くないけど、でもロシアン葵ちゃんが


倭人はお昼寝中、とか言ってたし……


ロシアン葵ちゃん……何でその状況知ってるの?


嫌な考えが巡り私は慌てて頭を振った。


聞きたいこと聞けずに、当たり障りのない会話のメールを送信してしまう。




To:黒猫倭人

   私も見てた。でも途中でつまらなくなったから切っちゃった。


From:黒猫倭人

   俺は結構好きだよ。昼寝したから目がぱっちり。


To:黒猫倭人

   早く寝なさい。明日も学校でしょ?


From:黒猫倭人
   
   うっせー。お説教朝都。



何回目かのネコの鳴き声にメールを開いて私は思わず、


「な、何ですってー!」


ネコのくせに生意気なっ!


疑う気持ちも一瞬吹き飛んで本気で目を吊り上げてると、



そのメールはそれだけで終わりじゃなく、長い空白をスクロールしていくと




   
    "嘘。すっげー好き。”





わ、わわっ!


びっくりし過ぎてまたも言葉を失う。


真夜中の黒猫メールは、愛をたくさん届けてくれた。


こんな最後にちょこんと一文…私が気づかなかったらどうするつもりだったのよ。




From:黒猫倭人
   
   今日ねー、ペルシャ砂糖さんが泊まりに来てんの。
   二人とも寝てるから電話できなくてごめんね。
   (親父一人なら気を遣わず電話する)



ペルシャ砂糖さん……



ミケネコお父様カップルは相変わらずラブラブなようで。


結婚も控えてるし、安定してるよね、あのカップルは。


まぁ年齢も年齢だし、経験も私と違うってのもあるけど。



こんな小さなことで不安になる私が



まだまだ未熟なのかな。



それとも二人の仲に確固たる何かがまだ存在してないだけ―――……?


分かんないよ。




私、どうしたらいいの。




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